理事長所信

【はじめに】

 第二次世界大戦以後60有余年の月日が流れ、日本国は奇跡的な復興と、高度経済成長を成し得てきました。その背景には、時間を問わず身を粉にして勤勉に働き続けた多くの青年達の魂があったことは言うまでもない事実です。

我が身の命を顧みず、愛する家族、友を守り、日本国の発展成長のために身を捧げた多くの青年達。

我々はその犠牲と、血の滲むような努力の上に立っていることを自覚しているでしょうか。そのことに思いを巡らす人がどれだけいるでしょうか。多くの青年が命を懸けて守ろうとした日本は、解決の糸口さえ見出せない数多くの問題を抱えるに至りました。経済政策により多少は上向いてきた景気情勢も日本全体を見渡せば人口減少問題・少子高齢化・消費税増税・社会保障という構造上の問題はもとより、バブル経済以降の「失われた20年」と言われる経済不安も、未だ先行き不透明な状況が続いています。また領土領海が脅威にさらされる安全保障問題、更には2011年に発生した東日本大震災と、原子力発電事故に端を発したエネルギー問題は日本全体を絶望の淵に陥れました。これらの諸問題の解決のために残された時間は、決して多くありません。
現在の日本は国民主権であり、この国は国民のものであります。この国を築いてこられた先人達から引き継いだ、私達と未来の世代のものです。しかし、そのことを考えることなく国民の義務を果たさず、与えられた権利も行使せず、主張だけをしている人がどれほどいるでしょうか。一例を挙げれば、日本国民であれば20歳以上に与えられている、国をより良くするための代表者を選ぶ権利、選挙権を放棄する人は未だに多く、近年の投票率は低水準に留まっている状況です。個々におかれている状況は考慮すべきであるとはいえ、かつては「日本の未来のために」と自己犠牲の精神を示した先人達とはあまりにもかけはなれているのではないでしょうか。
この時代に再び光を照らすのは誰なのか。次世代に我が国日本を渡すための希望となるのはだれなのか。それは我々青年世代の役割だと考えます。

【羽島青年会議所の存在意義と果たすべき役割】

 羽島青年会議所の存在意義と果たすべき役割はいかなる状況にあろうとも、設立以来不変です。設立趣意書に記されている通り「次代の社会の担い手たらんと自負し、同じ理想と使命感を持つ青年が社会開発に真剣に取り組む」、また「正しい理念と勇気ある行動に支えられた積極的な指導力の開発こそ、究極的には広く国家の福祉にも役立つ大きな力を発揮し得るものと確信して、単なる自己を中心とした修練や、散発的な奉仕活動に終えることなく、社会開発の手段としての指導力の研鑽に地道な厳しい努力を続ける」とあります。より豊かで優しさに満ち溢れた社会を熱望し、理想的な社会を築き上げたいと念願していることを踏まえ、同時に我々は「社会的、国家的、国際的な責任を自覚し、志を同じうする者相集い、力を合わせ、青年としての英知と勇気と情熱を持って明るい豊かな社会を築き上げる」べく行動することに尽きるのではないでしょうか。
 皆様は、青年会議所の意義、羽島JCの目的をはっきりと述べることができるでしょか。おそらく、明るい豊かな社会を築き上げると言う返答が大半ではないかと考えます。当然、綱領に書かれていることなので、間違いではございませんが、本来、意味するところとは何でしょうか。羽島JCの目的とは、定款には「本会議所は、羽島市・羽島郡及びその近郊の住民に対し、地域社会と国家の健全な発展を目指し、会員相互の信頼のもとに資質の向上と啓発に努めるとともに、国際的理解を深め世界の平和と繁栄に寄与することを目的とする」とあります。読めばその通りですが、ここにもしっかりと意図するところがあるのです。

【自己の成長により社会の変革に寄与する】

 青年会議所の意義とは、自己の成長を持って社会を変えていくことだと考えます。責任世代と呼ばれる青年が集い、地域社会や企業のリーダーとなることを志し、自らを修練し、互いを磨きあうことで明るい豊かな社会を築き上げる人間へと成長することがその本質だと考えます。「明るい豊かな社会の実現」を目標に掲げ、積極的な変革を創造し開拓するために能動的に活動できる機会を提供すると言う使命を、人類への奉仕が人生最善の仕事であるという価値観のもとに活動を展開していると捉えています。己を律し、磨き上げ、輝き続けるJAYCEEが増えれば増えるほど、JCの組織は強固になり、自信と誇りを持ち何事にも臆せず立ち向かう強い精神が培われ、力強く運動を展開することで地域を明るく照らし牽引することができると考えます。まずは我々にとって最も身近な社会である家族と会社からはじめようではありませんか。まちを語る時も、国を語る時も、全ての前提は自分自身が何をしているかに尽きるのです。
 羽島JCの目的である「地域社会と国家の健全な発展を目指す」ことは、我々が何か決まった事業を積み重ねて達成するということではございません。これまで多くのまちづくり事業を行い経験してきましたが、そこで求められる本質とは、事業を行う過程や地域の方々と関わる中で、自分自身に果敢に変化を起こし、自らを成長させていくことだと考えます。20代30代の青年が、本来、家庭や仕事で費やす貴重な時間とお金を、青年会議所に捧げるということは、そこに大きな意義があるからだと考えます。そういった団体は他に存在したでしょうか。
 羽島青年会議所設立趣意書には「日本の未来を担う新しい社会のリーダーを数多くつくり出すのは、私達の重大な使命であります。以って私達青年の手で真の平和な世界秩序が樹立されることを強く念願致します」と記してあります。偉大な先輩方は、厳しい自覚のもと、己を律し、修練に努め、その結果として明るい豊かな社会を築き上げるのだと当時から述べておられます。設立当初から変わらぬ我々の団体の理念とは、正しくそこにあるのです。

【志高く!発奮!大成!】

 自己の成長を持って社会に変革を与えていくことを理念とする青年会議所は人生の学び舎と言われ、そこで青年経済人として、一人の社会人として成長が求められています。しかし、それだけ自己の成長を謳っている我々は、何に向かって成長しているのかはっきり言えるでしょうか。成長だ、修練だと大きな理念を叫び続けても、それを実現し実感できなければ意味はありません。人は成長するために、何が必要なのか。
 講師例会等で、どんな有名な講師の話を聞いても、自分の中に絶えず興味のアンテナが立っていなければ、自分の中に響くこともなく、即座に忘れてしまいます。しかし、その話が常日頃から自分の中で問題意識として捉えていたものであったり、今まさに自分が直面している問題と関連した内容であれば、自身の中に取り入れ、自身の成長に繋げることができるでしょう。つまり、常日頃から物事の本質を見極めんと、誰のために、何のために行うのかを問い続け、誰かのために何かのために自分を捧げようとしていなければ、人は成長しないと考えます。正しくそれこそが志であると考えます。人は志に向かって奮い立たなければ成長は望めません。青年会議所の本質である社会を変革するために自己成長を促していく。
2015年度スローガンを「感奮興起!JC魂!~今こそ立ち上がれ、輝く羽島の未来のために~」とし、メンバー一人一人が志に向かって発奮し、大成する一年を目指します。

【会員拡大による組織の活性化が正しくJC運動の本質】

 地域社会にとっては会員数の減少は問題ではございません。では、なぜ会員拡大を継続しなければならないのでしょうか。会員数とは組織の力であり源泉でもあります。当然、会員数が増加し、会費収入が増えれば、大きな事業ができるというメリットもございます。しかし会員拡大こそがJC運動の本質であるという真意には、自己の成長を持って社会を変革していこうとする団体だからこそ、その意義を伝え、志を同じくした人間を一人でも多く世に輩出しようという気概を忘れてはいけないということだと考えます。市民の方々は常日頃より我々に対し負託と信頼を寄せてくださっておりますが、益々地域に必要とされるJCであり続けるために運動を継続する必要があるのです。
 同世代の青年経済人が集まる団体だからこそ、地域や企業で、悩みを抱え、壁に当たり、苦しんでいる未来の仲間の気持ちが痛いほど分かるし、そっと手を差し伸べ、未熟な人間同士、共に成長していく仲間になろうと声をかけることができるはずです。羽島の活性化のために共に活動していこうと言うのは勿論大切ではございますが、こういった活動の中で、一緒に成長していこうと声をかけてみてください。自ら機会を作り出し、機会によって自らを変える。JCには自ら作り出さなくても積極的な変化を起こせるだけの機会が溢れています。JCの扉に一歩踏み出すことが、自ら機会を作り出すということを積極的に訴えていこうではありませんか。

【リーダーとしての人財になる】

青年会議所が行うひとづくりとは、奉仕の精神を伴う公共心と行動力を持った青年経済人として、様々な社会で遺憾なく力を発揮でき、企業や地域で永続的な発展に貢献できるリーダーを育成することだと考えます。公益性を追求する団体として、成長の機会を提供するという責務はありますが、青年会議所という団体自体が、数多くの成長の機会を提供し、ひとづくりを本質としているのですから、まずは我々自身がリーダーシップを発揮できる人財として成長しなければならないことを忘れてはいけません。そして我々が奉仕の精神を伴う公共心と行動力を持った青年経済人となるには、どうすれば良いのでしょうか。誰かのために、社会のために、自分以外の何かのために、自らの人生の一部もしくは全てをかけて、事を成し遂げようとすることは、正しく志を高く保ち奮い立つということと同義です。我々が持つ志とは何なのか、その目指す姿をしっかりと見据え、追い求めていかなければなりません。

【次世代を担う子ども達のために】

 羽島の宝であり、希望でもある、次代を担う子ども達の健全育成を行うことは「明るい豊かな社会」の実現を目指す青年会議所において大切な運動です。「明るい豊かな社会」の証とは、子ども達の成長と笑顔であり、これを可能にするのは教育だと考えます。家庭・学校・地域が繋がり、共に育む教育環境づくりを通し、自立した青少年を育成する次世代づくりとして、子ども達に多くの体験の場を提供し、時には地域の大人に向けて事業を行ってきました。本年度も家庭・学校・地域での教育を補完する学びの場としてスポーツ事業や野外事業など体験型事業に取り組みます。
 先に記した自立とは、子ども達が追い求める姿であって、将来どのように社会と関わり自分の学びを活かしていくか、そのビジョンを映し出すことに他なりません。子ども達にいかに志を持たせることができるかが、我々青年会議所が教育に関わる意義だと考えます。子ども達も志が立つことによって、学びや成長への意欲が掻き立てられることは言うまでもありません。そのために我々が子ども達に何をすべきなのか、どんな機会を提供できるのか、責任世代としてしっかり考えていかなければなりません。

【続!市民意識の変革】

 我々の行うまちづくり運動とは、市民一人一人が誇りと自覚を持ち、共に協力しあいながら行うこと。そこに込められた意義とは何でしょう。これまでもこの方針に従い、事業を展開してまいりました。羽島の魅力とは何かを考え、まちづくりの仕掛け方を学んだり、実際にまちの新しい賑わいを創造するといったことも行い、大きな成果を得ています。しかしテクニックだけを学んだり、一時的にまちが活性化しただけでは本意ではありません。
 我々のまちづくり運動の大義は本来、持続可能な共生社会の実現あると考えます。持続可能な共生社会を創造するためには、市民に自立と自覚を求め、共に協力していこうという合意がなければ成立しません。そのために市民の意識に対して訴えかけ、動かすことにより、市民個々の意識の変化と成長を促し、まちを良くしていこうということこそが我々が行うまちづくり運動の意義だと考えます。
 青年会議所のメンバーは地域の担い手として、多くの事業に参加していかなければならない存在ですが、これも積極的な変化を起こす機会と捉え、我々が行うまちづくりの意義を見失わず、市民の意識の変革に努めていかなければならないのです。

【誰のための総務・渉外なのか】

 予てから総務・渉外はLOMの要と呼ばれ、円滑な組織運営のため、その重責を果たしてきました。一体誰のために何のためにそれがあって、向けるべき方向性はどこにあるのでしょうか。総務・渉外という仕事は決して、組織だけのためにあるのではありません。勿論メンバーのためにもあるのです。我々のJC活動がより効果的で効率的に行えるように、後方支援をすることが忘れてはならない本質です。地味な作業も数多くありますが、誰かの役に立つことをそこまで意識して臨む姿勢こそ、JCの醍醐味であり、リーダーシップを磨く絶好の機会だと考えます。

【感謝と敬意!出向者支援】

 出向者は羽島JCを代表し顔として活躍してくれます。公益社団法人日本青年会議所・東海地区協議会・岐阜ブロック協議会と様々な出向があり、これらの経験がメンバーにとって良い機会になることは間違いございません。しかし、出向の決断は容易ではなく、LOMのメンバーは羽島JCのために勇気ある決断をしてくれた出向者に対し、敬意と感謝を忘れてはなりません。また、出向者が良い経験を積むことは、LOMの活性化にも必ず繋がります。出向するということは各地のメンバーと出会うことができる機会を得たことを意味するため、各地のJCの良い所を羽島に持ち帰っていただくだけでもその価値は大きいのです。そして何より、出向で得られた経験は出向者自身にとってかけがえのない財産となることは間違いございません。様々な状況の中での勇気ある決断の先には、人生観をも変える出会いや、他のどこでも得られない貴重な経験がまっているはずです。出向するメンバーは羽島JCを背負って全力で運動に邁進してくれるはずです。その勇気に応えるべくLOM全体で出向者を支えることを約束いたします。

【結びに】

 青年会議所には多種多様な考えを持った人間が集い、その多様な価値観に触れることができるのも大きな魅力です。我々が生きている青年期とは、自分の人生とは何なのか、誰のために何のために命を費やすのか、それを自らに問い、生きるということを真剣に考えていかなければならない人生の岐路であると考えます。これからは、過去経験のない、益々厳しい社会へ変化していくことが予測されます。人も地域も企業も自らが果たすべき役割・負担をきちんと認識し、行動に移さなければ、持続可能な共生社会の実現が果たせなくなるかもしれないという危機感を先ずは共有したいと考えます。だからこそ、今、我々がしなければならないことは、多様な価値観に触れ、一人の人間として、自らの進むべき道を見出していくことなのです。互いに議論を交わし、語り合い、そしてまた自らに問うていく。更に皆様には持って生まれた高い資質の上に、様々な活動を通して、的確な判断力や創造力、リーダーシップや社会性などが培われているはずです。今まさに我々に期待されているのは、この厳しい時代を担い、社会に貢献できるリーダーだと考えます。一人一人が、そうした自分の使命をしっかりと自覚し、この国や岐阜県、ふるさと羽島を支えていくのは、他でもない、この自分だという熱い思いを持ち、敢えて困難な課題に挑戦していきたいと考えております。
私が理事長として、ただ一つ、メンバーに望むことは大いに語り合い、刺激しあって、自らの進むべき道へ成長していくこと。一人一人が志に向かって発奮し、大成すること。それが青年会議所の一番の本質であるのだから。力強いJAYCEE!頼られるJC!になるため!

第47代理事長 後藤 大成